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実家じまいで後悔する人の共通点――後悔しないための本当の順番

8月末に放送されたドラマ「実家じまい」の感想がタイムラインに流れてきたと思ったら、noteでも実家じまいの体験談を見かける機会が増えました。「親が元気なうちに」派と「うちはもう待ったなし」派、両方の声が混ざっているのを見て、そういえばこの半年、うちの実家じまいについても記事にしてきたな、と振り返る機会になりました。

片付けのこと、お金のこと、仏壇や位牌のこと、相続の手続きのこと――ひとつずつ記事にしてきましたが、まとめて振り返ってみると、後悔している人とそうでない人のあいだには「何から手をつけたか」という順番の違いがあるように感じています。この記事では、これまで書いてきた内容を一度整理しながら、実家じまいの「本当の順番」をまとめておきます。

目次

本当の順番は、①家族会議→②お金→③片付け→④不動産

実家じまいというと、多くの人がまず「片付け」から始めようとします。目に見えて分かりやすい作業だからだと思いますが、うちも含めて、後から一番揉めるのは片付けそのものより、お金と役割分担の話だったというケースをよく見聞きします。振り返って考えると、順番は次のようにするのが一番こじれにくいはずです。

  1. 家族会議:誰が何をいつまでにやるか、方針をすり合わせる
  2. お金:片付け・解体・不動産処分の費用を誰がどう負担するか決める
  3. 片付け:仏壇・位牌・思い出の品・遺品を実際に整理する
  4. 不動産:空き家のまま放置せず、売却・活用・相続登記などの方向性を決める

①家族会議は、「みんなで進めよう」と声をかけるだけで終わらせず、誰が親に切り出すか、誰が実務を担当するかまで、できれば最初の時点で言葉にしておくのがポイントです。

②お金は、片付け・解体・不動産処分にかかる費用を誰がどう負担するかを、片付けに着手する前に決めておきます。相場や具体的な取り決め方は実家じまいのお金、結局誰が払うの?相場と、わが家が揉めなかった話し合い方にまとめました。

③片付けは、仏壇・位牌のように判断が重いものから、書類や思い出の品まで幅があります。焦って一気に進めようとするとほぼ確実に衝突するので、範囲を区切って少しずつ進めるほうが結果的に早道です。

④不動産は一番後回しにされがちですが、空き家のまま放置すると、倒壊や不法侵入のリスクが上がるだけでなく、自治体に「特定空家等」に指定されれば固定資産税の軽減措置が外れて税負担が重くなることもあります。2024年4月からは相続登記も義務化されており、不動産を相続で取得したと知った日から3年以内に登記をしないと過料の対象になる可能性があります。相続の期限全般については身内が亡くなったら最初の10か月でやること――相続の期限を時系列で整理してみたにまとめているので、あわせて確認してみてください。

「まだ早い」が一番危ない理由

「親が元気なうちはまだいいか」という気持ちは、私自身よく分かります。ただ、実際に動き出すきっかけの多くは、親の入院や体調の急変といった「待ったなし」の場面です。準備ができていない状態で突然始めることになると、片付けも、お金の話も、相続の手続きも同時並行で進めることになり、家族全員が余裕をなくした状態で判断を迫られることになります。

ドラマ「実家じまい」が話題になった理由の一つも、まさにこの「先延ばしにしてきたことのしわ寄せ」が一気に噴き出す怖さだったように思います。この点についてはドラマ「実家じまい」が”怖すぎる”と話題――他人事じゃない毒親と実家問題を今のうちに整理するでも書きました。墓じまいについても同じことが言えて、先延ばしにした場合に何が起きるかは墓じまいを先延ばしにするとどうなる?費用・流れ・後悔しないタイミングを整理してみたにまとめています。「まだ早い」と「もう遅い」の間で迷っている場合は、遺品整理はいつ始める?「まだ早い」「もう遅い」に振り回されないタイミングの見つけ方も参考にしてみてください。

兄弟姉妹で揉めない話し合い術

実家じまいで一番気まずくなりやすいのは、実は親とのやり取りより、きょうだい間の温度差だったりします。同居・近居していた側は「今まで見てきたのに」と感じ、遠方に住む側は「相談もなく話が進んでいた」と感じる。この行き違いは、悪意がなくても自然に起きてしまいます。

うちで効果があったのは、次の3つを最初に決めてしまうことでした。

  • 片付け・解体・不動産処分の費用は、いったん相続財産から差し引く前提で話す
  • 業者の見積もりは複数社取り、金額を家族全員で共有してから決める
  • 「誰が主導するか」だけ早めに一人決めておき、他の人は口を出しすぎない

役割分担についてはもう一つコツがあって、「言い出す人」と「実務を進める人」を分けておくと、一人に負担が集中しにくくなります。この考え方は親を怒らせない実家の片付け方でも詳しく書いたので、あわせて読んでみてください。

親を傷つけない会話例

実家じまいの話し合いは、家族会議だけでなく親自身との会話も避けて通れません。ここで一番やりがちな失敗が、「片付けよう」「捨てよう」を主語にしてしまうことです。親の耳には「あなたの持ち物を私が処分する」という宣言のように届いてしまい、身構えられてしまいます。

効果があったのは、「捨てる」ではなく「一緒に選ぶ」に置き換えることでした。

  • ✕「これ、もう捨てよう」→ ○「これ、これからも使う?残すならどっち?」
  • ✕「これいる?」(思い出の品)→ ○「これ誰から?」「これいつの写真?」
  • ✕「いらない書類は捨てよう」→ ○「大事な書類、どこにあるか一緒に確認しよう」

判断する主導権を親に残したまま、決める作業だけを手伝う、という立ち位置に回ると、本人から「これはもういいよ」という言葉が出てきやすくなります。具体的な場面ごとの会話例は親を怒らせない実家の片付け方――「捨てる」ではなく「一緒に選ぶ」で伝える会話術にまとめているので、こちらもあわせてどうぞ。仏壇・位牌のように判断そのものが重い品については位牌はどうすればいい?実家に残された仏壇・位牌を処分する前に知っておきたいことも参考になると思います。

業者選びの3チェックポイント

片付けや解体を業者に依頼する場合、費用相場だけでなく「どんな業者を選ぶか」も重要なポイントです。以下の3つは契約前に必ず確認しておきたいところです。

  • 相見積もりを取る:最低でも2〜3社から見積もりを取り、金額の内訳(人件費・処分費・運搬費など)まで提示してもらう。うちも最初の見積もりに驚いて、結局3社に取り直しました。
  • 許可の有無を確認する:不用品回収では「一般廃棄物収集運搬業許可」、古物として買い取ってもらう場合は「古物商許可」を持っているかを確認する。無許可業者によるトラブルは珍しくありません。
  • 契約前に総額とキャンセル規定を書面で確認する:「作業を始めたら想定より荷物が多いと言われ追加請求された」という悪徳業者のパターンは典型的です。見積書に総額と追加費用の条件が明記されているかを必ず確認しましょう。

費用相場の詳しい内訳は実家じまいのお金の記事にまとめてあるので、業者から出てきた見積もりが相場から大きく外れていないか、照らし合わせてみてください。

今週末にできる、たった一つの一歩

ここまで、家族会議→お金→片付け→不動産という順番と、それぞれの場面でのつまずきやすいポイントをまとめてきました。一気に全部を進める必要はありません。まずは家族に「実家のこと、そろそろ一度話す時間つくれない?」とLINEを送ってみる。それだけで、実家じまいは動き出します。

この記事で触れた内容をもう少し詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

親の入院をきっかけに、何も準備していなかったために手続きで慌てた経験があります。相続や葬儀の話は元気なうちは後回しにしがちですが、いざという時に困る人を1人でも減らしたいと思い、実体験をもとに発信しています。

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