祖母が亡くなったのは、父の入院で実家に通うようになるよりも前のことでした。当時は「遺品整理なんて、悲しみが落ち着いてからでいいでしょう」と漠然と思っていたのですが、いざ叔母たちと部屋を前にすると、みんな顔を見合わせるばかりで何も進みませんでした。「早すぎるのも失礼な気がするし、かといっていつまでも放っておくのも気になる」――あの時の宙ぶらりんな空気を、今でもよく覚えています。
この記事では、遺品整理を始めるタイミングについて、一般的に言われている目安と、私自身がその後実家の片付けを経験して感じたことをあわせてまとめます。「今すぐ動かなきゃ」と焦っている方の肩の力が、少し抜けたらうれしいです。
「四十九日を過ぎてから」とよく聞くけれど、決まりがあるわけではない
調べてみると、遺品整理には法律上の期限はありません。ただ、実務としてよく挙げられる目安はいくつかあります。
- 葬儀後〜1週間:必要書類や貴重品だけ先に確保する
- 諸手続き後(1週間〜1か月):役所や保険会社への連絡が落ち着いてから
- 四十九日法要後(2〜3か月):親族が集まる機会に合わせて形見分けをする
- 相続税申告前(7〜8か月):財産を把握する必要がある場合はここが区切りになる
私の実家では、結局「四十九日のあとに、来られる人だけで少しずつ」という一番オーソドックスなパターンに落ち着きました。全員の予定を合わせようとすると、逆にいつまでも動けなくなってしまうというのは、今振り返るとよくわかる話です。
相続税が関わる家は、7〜8か月がひとつの節目になる
相続税の申告・納税には、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内という期限があります。財産のなかに何が含まれているかを把握しないまま申告はできないので、預貯金や不動産だけでなく、家の中にある遺品もある程度は「何がどれくらいあるか」を早めに確認しておいたほうが安心です。申告が必要かどうか自体、判断が難しいケースもあるので、不安な場合は税理士など専門家に早めに相談することをおすすめします。
私が「片付け」より先に手をつけたもの
部屋全体を片付けるより前に、私はまず次の2つを優先しました。
- 通帳・保険証券・権利証など、あとで困る貴重品の保管場所の確認
- スマートフォンやパソコンの中にある、デジタルの記録
特にデジタル遺品は、パスワードがわからないまま放置すると後から手がつけられなくなることがあります。この点は別記事のデジタル遺品整理の方法|生前にやるべき準備と子どもへの負担軽減でも触れているので、あわせて読んでいただけたらと思います。実家じまいそのものの進め方については「抵抗する親」とどう向き合う?実家の片付け・生前整理を無理なく進める方法でまとめています。
急がなくていい。でも、置き去りにもしない
遺品整理は「いつまでに終わらせなきゃ」というものではありません。ただ、時間が経つほど「誰が何を持っていたか」があいまいになり、思い出話をする気力も薄れていくのは事実だと思います。目安の時期を知っておくだけでも、「今はまだ動かなくていい時期なんだ」と自分に言い聞かせられるので、気持ちがだいぶ楽になります。焦らず、でも見て見ぬふりもせず、少しずつ進めていければ十分だと思います。
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