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ドラマ「実家じまい」が“怖すぎる”と話題――他人事じゃない毒親と実家問題を今のうちに整理する

「実家じまい」というドラマの感想がタイムラインに流れてきたとき、正直、見る前から胸がざわつきました。「怖すぎた」「団地の記憶がフラッシュバックする」――そんな声が並んでいるのを見て、これはホラーの怖さじゃないな、と直感したからです。私自身、父の入院をきっかけに実家に通うようになり、片付けや相続の手続きで慌てた経験があります。うちは「毒親」と言うほどではなかったけれど、それでも親との関係には言葉にしづらい引っかかりがずっとありました。だからこそ、あのドラマがここまで話題になった理由が、わかる気がしています。

この記事では、ドラマの感想を入り口に、「親との関係が良くなかった自分」を責めずに実家問題と向き合う方法を、私の実体験を交えてまとめます。片付けのハウツーの前に、まず心の整理から。そんな内容にしたいと思います。

目次

なぜここまで刺さるのか、”団地の記憶”という集合的な不安

2026年6月に放送された「実家じまい」には、「怖すぎた」「毒親と団地の恐怖」という感想がSNSで相次ぎました。ホラー仕立てでありながら、描かれていたのは幽霊よりもずっとリアルな「親との距離感」だったように思います。同じ時期、noteなどでは「実家の片付けで10トン以上のモノと3年向き合った」といった実体験エッセイも継続的に読まれ続けています。フィクションと実体験、両方から関心が高まっているのは、多くの人が心のどこかで「うちも他人事じゃないかもしれない」と感じているからではないでしょうか。

団地やニュータウンの一室に積み上がったモノ、開かずの部屋、聞けなかった本音――ドラマが呼び起こしたのは、特定の誰かの特殊な体験ではなく、多くの家庭に少しずつ形を変えて存在する「言いにくい記憶」だったのだと思います。

「片付けられない」の正体は、物ではなく感情だった

実家の片付けが進まない理由を、私は長らく「時間がないから」「量が多いから」だと思っていました。でも本当に足を止めていたのは、親との関係そのものでした。厳しかった言葉、比べられた記憶、素直に甘えられなかった時間。そういうものが押し入れの奥のモノと一緒くたになって、手を伸ばすことを重くしていたのだと、後から気づきました。

親との関係が良くなかった場合、片付けを「親孝行」や「感謝の作業」だと自分に言い聞かせる必要はないと思っています。むしろ、そう思い込もうとすることのほうが苦しくなります。実家の片付けは、親を許すためのイベントでも、和解の儀式でもありません。ただ「これから先の生活を整えるための、事務的な作業」だと割り切っていい。感情の整理と物の整理は、無理に同時に終わらせなくて大丈夫です。順番がバラバラでも、時間差があっても、それでいいのだと自分に許可を出すことから始めました。

罪悪感ゼロで進める実家じまいの手順――生前整理と死後整理の違い

実家じまいには、大きく分けて「生前整理」と「死後整理(遺品整理)」の2つの場面があります。親が元気なうちに一緒に進めるのが生前整理、亡くなった後に遺された物を整理するのが死後整理です。親との関係が良くない場合、この2つを混同すると「今さら口を出すのか」「勝手に処分するのか」という葛藤がより強く出やすくなります。

生前整理では、親の同意なくモノを動かさないことが何より大切です。逆に死後整理では、判断する相手がもういないぶん「本当にこれを捨てていいのか」という迷いが罪悪感に変わりやすくなります。私が実践して楽になったのは、次のような小さなルール決めでした。

  • 写真・手紙など思い出の品は、いったん「保留箱」にまとめて即断しない
  • 「捨てる/残す」の2択ではなく「保留」を正式な選択肢にする
  • 1回の作業時間を決めて、感情が揺れたらその日はそこで終える
  • 迷ったら写真だけ撮って現物は手放す、というルールを自分の中に作る

ちなみに、まだ親が元気で片付けに消極的なケースについては、声かけの工夫を別記事の「抵抗する親」とどう向き合う?実家の片付け・生前整理を無理なく進める方法でまとめています。関係性が複雑で「そもそも話し合いにならない」という方は、今回の記事の考え方を先に置いておいてもらえたらと思います。

兄弟姉妹でモメないための、相続・遺品整理の下準備

親子関係だけでなく、実家じまいがこじれる理由としてもうひとつ大きいのが兄弟姉妹間のトラブルです。「介護や実家の管理を担ってきたのは自分なのに」「遠方の兄が口だけ出してくる」――こうしたすれ違いは、感情面での不公平感が相続の話し合いに持ち込まれることで一気に深刻化します。

私が意識するようになったのは、次の3つです。

  • 財産目録(預金・不動産・保険など)を、誰か一人だけが把握している状態にしない
  • 遺言書の有無と保管場所を、できれば親が元気なうちに確認しておく
  • 形見分けの希望は「言った・言わない」にならないよう、メモや録音など形に残す

相続トラブルの多くは、金額の大小よりも「知らされていなかった」「相談されなかった」という感情のもつれから始まります。実家じまいを、モノの整理だけでなく情報共有の機会と捉え直すだけでも、後々の火種はかなり減らせると感じています。

「いつか自分も」に備える、私なりの終活の始め方

実家じまいと向き合ってあらためて思ったのは、これは親の問題であると同時に、いつか自分にも返ってくる問題だということです。自分の子どもや周囲に、同じ重さを背負わせたくない。そう思ったのが、私が自分自身の終活を意識するようになったきっかけでした。

とはいえ、いきなり遺言書やエンディングノートを完璧に仕上げる必要はありません。私が最初にやったのは、本当に小さなことばかりです。

  • 使っていないサブスクや口座を、思い出したときに1つだけ解約する
  • スマホの写真フォルダを、月に一度だけ整理する
  • 「これだけは残したい」というものを、ノートの端に書き出しておく

そして何より、親が生きているうちにしかできないことがあります。財産や持ち物の話だけでなく、「どんな最期を迎えたいか」「誰に何を託したいか」を、重い空気にならない形で少しずつ聞いておくこと。ドラマのようにすべてを一気に清算する必要はありません。怖いドラマを見て少しざわついた今のこの気持ちこそ、実家と自分自身の終活を、小さく一歩だけ動かすタイミングなのだと思います。

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この記事を書いた人

親の入院をきっかけに、何も準備していなかったために手続きで慌てた経験があります。相続や葬儀の話は元気なうちは後回しにしがちですが、いざという時に困る人を1人でも減らしたいと思い、実体験をもとに発信しています。

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