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墓じまいを先延ばしにするとどうなる?費用・流れ・後悔しないタイミングを整理してみた

実家から車で40分ほどのところに、祖父母と曽祖父母が入っているお墓がある。うちの母はもう10年以上、彼岸のたびに「そろそろどうにかしないとね」と言い続けている。でも「どうにか」の先が具体的に決まったことは一度もない。お寺との関係、親戚への相談、費用の相場——考えることが多すぎて、結局また来年に持ち越す。この記事を書いている私自身、正直まだ他人事にできていない話です。

このサイトではこれまで、実家じまいのお金を誰が払うかという話や、遺品整理のタイミングについて書いてきました。今回は同じ「先延ばしにしがちな終活タスク」の中でも、特に手をつけにくい「お墓」について、先延ばしにした場合に実際どうなるのか、費用や流れも含めて整理しておきます。

目次

「墓じまい」の話が、他の片付けより後回しになる理由

実家の持ち物なら、極端な話「自分たちだけで判断して処分する」こともできます。でもお墓は違います。関係するのが自分の家族だけでなく、お寺(菩提寺)、遠方の親戚、場合によっては会ったこともない親族まで広がることがある。しかも「ご先祖様に申し訳ない」という気持ちが、合理的な判断にブレーキをかけます。この心理的なハードルの高さが、他の終活タスクよりも一段階、着手を遅らせているように感じます。

加えて、そもそも何から調べればいいのか分からないという事情もあります。終活を何から始めるかを考えたとき、お墓の話は優先順位表の下の方に置かれがちです。急ぎではなさそうに見えるからこそ、毎年「今年こそは」と思いながら通り過ぎてしまうのだと思います。

先延ばしを続けると、具体的に何が起きるか

「まあ、急がなくても」と先送りを続けた場合に起きやすいことを、聞き取りと自分の経験をもとに3つにまとめました。

管理者の高齢化で、動ける人がいなくなる

お墓の話し合いの中心にいるのは、たいてい今60〜70代の親世代です。判断や交渉の体力がある今のうちに動かないと、10年後には本人の介護や認知機能の問題で意思確認自体が難しくなっている、という状況が普通に起こり得ます。「動ける人」がいなくなってからでは、選べる選択肢がぐっと狭まります。

無縁墓になるリスクが、じわじわ現実味を帯びる

承継者が決まらないまま何年も放置されたお墓は、管理費の滞納をきっかけに無縁墓として整理されてしまうことがあります。今すぐの話ではなくても、「誰も決めていない」という状態そのものが、将来そこに向かう一本道になっているのは事実です。

結果的に費用も手間も膨らむ

閉眼供養やお墓の解体、離檀の手続きなどは、親族の総意がまとまっているほどスムーズに進みます。先延ばしにした分だけ「誰に相談すればいいか分からない」親戚が増え、後から合意形成をやり直すコストがかかる。急いで結論を出す必要はありませんが、情報collectだけでも早めに始めておいて損はありません。

費用はどれくらいかかるのか、ざっくりの相場

金額は寺院や墓地の条件によってかなり幅がありますが、一般的に言われている内訳はおおよそ次の通りです。

  • 閉眼供養(魂抜き)のお布施:3万〜10万円程度
  • 墓石の解体・撤去、区画の返還:1平方メートルあたり10万〜15万円程度
  • 離檀料(お寺による、必須ではない場合も):数万〜20万円程度
  • 改葬先(永代供養墓・樹木葬・納骨堂など)の費用:10万〜100万円超と幅が大きい

合計では数十万円から、改葬先によっては100万円を超えるケースまであります。葬儀費用の相場のときと同じように、ここでも「誰がいくら負担するか」を早い段階で言葉にしておいたほうが、後々の気まずさを避けられると感じています。一部の自治体では墓じまいの補助制度を設けていることもあるので、市区町村の窓口に確認してみる価値はあります。

手続きの大まかな流れ

細かい書式は自治体や寺院によって違いますが、大枠は次のような順番になります。

  1. 親族間で方針を話し合い、改葬先の候補を決める
  2. 今のお墓がある市区町村役場で「改葬許可申請書」を取得する
  3. 菩提寺・墓地管理者に埋蔵証明を発行してもらう
  4. 改葬先の受入証明を用意し、改葬許可証の交付を受ける
  5. 閉眼供養を行い、遺骨を取り出して墓石を解体・返還する
  6. 改葬先に遺骨を納める

役所への申請自体は難しくありませんが、一番時間がかかるのは実は最初の「親族間で方針を話し合う」の部分だったりします。ここは書類の話ではなく人間関係の話なので、早めに着手するに越したことはありません。

後悔したという声から見えてくること

調べていくと、「墓じまいをして後悔した」という声も一定数見つかります。ただ内容を見ていくと、墓じまいそのものというより、「親族に事前相談せずに進めてしまった」「お寺との関係を考えずに離檀を切り出して関係がこじれた」といった、進め方に起因するケースが目立ちます。決断を先延ばしにする代わりに、まずは情報を集めて親族と共有する時間を早めに作ることが、結果的に一番の後悔対策になるようです。

今日できる、一番小さな一歩

いきなり結論を出す必要はありません。まずは今のお墓の管理者(お寺や霊園)の連絡先を確認しておく、次の帰省のときに親のスマホのメモにでもいいので現状を書き出してもらう——その程度で十分です。うちも去年ようやく、母に管理料の支払先だけメモしてもらいました。小さな一歩ですが、「いつか」を「いつ」に変える最初のきっかけになると思っています。

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この記事を書いた人

親の入院をきっかけに、何も準備していなかったために手続きで慌てた経験があります。相続や葬儀の話は元気なうちは後回しにしがちですが、いざという時に困る人を1人でも減らしたいと思い、実体験をもとに発信しています。

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