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葬儀・マナー

葬儀の流れ|種類・手順・必要な手続きなどについても解説

ご家族を失ったら、すぐに葬儀の準備が始まります。しかし身内として葬儀に関わる機会は多くないため、流れがわからない人も多いでしょう。「お葬式に参列した経験がない」という人もいるはずです。

そこで本記事では、葬儀の種類や流れなどを紹介します。また葬儀でよくある質問もまとめました。スムーズに故人を見送れるよう、ぜひ流れを押さえておきましょう。

葬儀の種類

葬儀を執り行うにあたっては、まず種類を検討する必要があります。葬儀社スタッフの説明を聞いてから決めてもよいでしょう。

おもな葬儀の種類は以下の通りです。

・一般葬

・家族葬

・一日葬

・直葬

それぞれの概要を紹介します。

1.一般葬 

故人と生前に交流があった人・お世話になった人を広く呼んで行うのが、伝統的な「一般葬」です。親族・友人・職場関係者・近所の人などを始め、一般葬にはさまざまな人が出席します。葬儀と聞くと、一般葬をイメージする人が多いでしょう。

故人の交友関係にもよりますが、一般葬は参列者が多めです。形式やマナーなどは、宗教や宗派によって変わってきます。参列者が多いため、一般葬には広い式場が必要です。金額もほかの葬儀より高くなる傾向にあります。

2.家族葬 

名前の通り、家族を中心として行われているのが「家族葬」です。厳密な定義はありませんが、家族葬には親しい友人も呼ばれます。

参列者数が減るものの、家族葬の基本的な流れやマナーは一般葬と変わりません。通夜・葬儀・火葬といった流れで進められます。

大人数が参列する予定がないのであれば、家族葬を選ぶのも方法の1つです。家族葬のプランを提供している葬儀社もあります。

3.一日葬 

告別式と火葬のみを1日で行うのが「一日葬」です。一日葬も、家族葬と同じように親族や親しい友人などが呼ばれます。

通夜を行わないため、一日葬では遺族の負担を減らせるでしょう。ただし遠方に住む人の出席は難しくなるのがデメリットです。

新しいスタイルの葬儀であるため、対応していない菩提寺もあります。そのため「一日葬にしたい」と考えているのなら、菩提寺への相談が必要です。

1-4.直葬 

通夜や告別式を行わないのが、密葬・火葬式とも呼ばれる「直葬」です。故人の逝去後はご遺体を自宅や病院から火葬場に運び、火葬で弔います。

直葬に参列するのは、基本的に家族や親族のみです。通常は火葬炉のまえで、僧侶が読経を行います。

手順が少ないため、一般葬や家族葬より費用を大幅に抑えられるのが直葬のメリットです。しかし親しい友人が参列できないというデメリットもあります。

一般葬の基本的な流れ

ご臨終から葬儀を終えて帰宅するまでの流れをまとめました。ただし葬儀には、地域や宗教による違いもあります。

紹介するのは、仏式で一般葬を執り行うときの流れです。葬儀は非常にやることが多いため、大きく4つにわけて解説します。

・葬儀の準備

・通夜と葬儀

・出棺~拾骨

・初七日法要~帰宅

一連の流れについてチェックしてみましょう。

葬儀の準備

ご家族が危篤状態になったら、まずは落ち着いて近親者に電話連絡しましょう。会社勤めをしているのなら、休みの連絡も入れておくと安心です。

そのままご臨終を迎えた場合、準備の流れは次のようにわけられます。

・ご臨終~葬儀社の手配

・遺体搬送と安置

・葬儀社と打ち合わせ

・諸連絡・諸手続き

短時間で多くのことを決めなくてはならないので、準備は大変です。そこで流れを頭に入れておくと動きやすくなります。

1.ご臨終~葬儀社の手配 

病院で故人が亡くなった場合、まずはご遺体が霊安室へと運ばれます。しかし霊安室が利用できるのは、それほど長い時間ではありません。そのため、なるべく早く葬儀社を手配して搬送する必要があります。

葬儀社の多くは、24時間365日対応です。連絡すると寝台車で病院までお迎えに来てくれます。積み立てを行っているなど、利用予定の葬儀社があるのなら連絡してください。

特に決まっていないのなら、病院で提携している葬儀社への依頼も可能です。ただし病院提携の業者に依頼すると、仲介手数料がかかります。病院提携の業者には搬送のみを依頼し、あとで葬儀社を決めても問題ありません。事前に葬儀社を決めておくと、費用を抑えられるうえにスムーズです。

病院で医師による死亡診断書を受け取ったら、支払いを済ませます。死亡診断書は各種手続きで使いますので、数部コピーを取っておきましょう。

2.遺体搬送と安置  

病院でのエンゼルケアが終わり葬儀社や安置場所が決まったら、ご遺体の搬送を行います。自家用車での搬送も可能ではありますが、現実的ではありません。搬送や安置は、プロである葬儀社に依頼しましょう。

ご遺体の安置場所として考えられるのは次の3つです。

・自宅

・葬儀社

・安置施設

自宅に安置するのなら、なるべく部屋にある家具や荷物を片づけておきましょう。マンションの場合は、エレベーターが使えるかも確認してください。自宅では難しい場合、葬儀社や斎場などに安置する方法もあります。

ご遺体は北枕にして手を組ませ、数珠をかけるのが一般的です。枕飾りは葬儀社が用意してくれます。

3.葬儀社と打ち合わせ 

遺体の搬送・安置が終わったら、葬儀社との打ち合わせが必要です。まずは喪主を誰にするか決めなくてはなりません。葬儀の種類、宗教・宗派の確認も行われます。

どのような葬儀にするか決まったら、場所や日程を決定するのが一般的な流れです。日程は菩提寺・葬儀場・火葬場の予定などに確認のうえで決められます。

4.諸連絡と諸手続き 

葬儀の場所や日程が決まったら、親族や故人とつきあいがあった人への連絡を行います。

また死亡届を提出しなくてはなりません。提出の期限は、死亡あるいは死亡を知った日から7日以内です。

死亡届は、故人の本籍地・届出人の現住所にある市町村の窓口などに申請します。正当な理由なく提出が遅れると、戸籍法にもとづき5万円以下の過料を徴収されますので注意してください。

火葬にあたっては「火葬許可証」が必要です。大抵の場合、火葬許可申請書は死亡届と同時に提出します。

葬儀までのあいだに、遺影写真の選定や、弔辞の依頼も行いましょう。

通夜と葬儀

準備が整ったら、いよいよ通夜と葬儀が行われます。ここでの流れは以下の通りです。

・湯灌~納棺

・通夜

・葬儀・告別式

湯灌から葬儀までの流れも、1つずつ見ていきましょう。

1.湯灌~納棺 

葬儀・納棺のまえには「末期(まつご)の水」を取ることがあります。故人の唇を湿らせるのが末期の水です。

その後には、故人の髪や身体を洗い清める湯灌(ゆかん)が行われます。湯灌ではシャンプー・リンス・顔そり・ドライヤーを行うのが一般的です。葬儀社で行う湯灌ですが、希望すると遺族も参加できる場合があります。

また葬儀社ではなく、湯灌師への依頼も可能です。湯灌後には故人に死化粧を施し、死装束を着せます。もともとは白衣に経帷子(きょうかたびら)を着せるのが一般的でした。しかし故人が好んだ服を着せることもできます。

身支度を整えたら納棺です。地域によっては、近親者のみで故人を棺に納めます。

故人と一緒に棺へと入れるのが副葬品です。基本的には故人が好きだったものを選びますが、次のようなものは入れられません。

・不燃物

・爆発物

・プラスチック製品

・ゴム製品

・カーボン製品

副葬品として入れても大丈夫か不明なものは、担当者に相談すると安心です。

2.通夜 

故人と最後の夜を過ごすために行うのが通夜(お通夜)です。かつて通夜は、文字通り夜通し行われていました。しかし近年は1~3時間程度で終わる「半通夜」が主流です。

読経や焼香のあとは、弔問客への通夜振る舞いが行われます。ただし地域によって内容はさまざまです。食事を振る舞う地域もありますが、茶菓子のみの地域もあります。

3.葬儀・告別式 

故人へ別れを告げるために行うのが、葬儀や告別式です。本来は次のように意味に違いがありました。

葬儀宗教的儀式によって故人を彼岸へと送る儀式
告別式参列者が故人に別れを告げる儀式

しかし現代では、葬儀と告別式を1つの儀式として扱うのが一般的です。

参列者の受付は、葬儀開始1時間ほど前から行われます。受付で芳名帳に記載してもらい香典を受け取ったら、香典返しを渡すのが通常の流れです。記帳を済ませた参列者は会場に入って着席します。

葬儀の流れは以下の通りです。

・読経

・弔辞や弔電

・読経・焼香

全員の焼香と読経が終わると宗教者が退場し、閉会となります。

葬儀・告別式のあとに行われるのが、お別れの儀です。花や故人の愛用品などを納めたあとに、棺の釘打ちを行う地域もあります。

出棺~拾骨

納棺を済ませたら出棺して、火葬場へと向かいます。出棺から拾収骨の流れは次の通りです。

・出棺

・火葬

・拾骨

3つにわけて、それぞれの内容を紹介します。

1.出棺 

釘打ちを行ったら出棺して、故人を火葬場へと運ぶのが一般的な流れです。

棺は遺族・親族・友人などが霊柩車へと運びます。原則として、棺を運ぶのは男性です。

故人にゆかりのある場所を通って火葬場に運ぶこともあります。

2.火葬 

故人を運ぶのには霊柩車を使うのが一般的です。遺族や僧侶はハイヤー、参列者はマイクロバスや自家用車を使用して移動します。

火葬場についたら、申請書や火葬許可証を提出しましょう。許可証がなければ火葬はできません。そのため葬儀社に火葬許可証を預けておくのが一般的です。

炉のまえでは読経が行われます。

一般的に、火葬は1~2時間が目安です。待機中は火葬場内にある控室に移動し、お茶やお菓子で参列者をもてなして終わるのを待ちます。火葬が終わると埋葬許可証が渡されますので、大切に保管してください。

来たときと別な道を通って帰るのが火葬での風習です。

3.拾骨 

火葬が終わったあとに行うのが拾骨です。

遺族や親族で遺骨の骨上げをして、骨壺へと入れます。骨上げは歯を納めたあと、足から頭に向かって拾うのが一般的な流れです。

最後に故人の配偶者や喪主が喉仏を拾い入れます。

初七日法要~帰宅

拾骨が終わって散会となるパターンもあります。しかし近年は葬儀の当日に初七日法要を行うケースが増えてきました。

そこで当日に初七日法要を行ってから帰宅するまでの流れも紹介します。

・初七日法要

・精進落とし

・帰宅

帰宅後の手続きも紹介しますので、何があるかチェックしてみましょう。

1.初七日法要 

本来は故人の命日から7日後に行われていたのが、初七日法要です。しかし最近は、葬儀の当日に初七日法要が行われることも多くなりました。

初七日法要は、火葬場ではなく葬儀場やお寺などで行います。時間は30分前後が一般的な目安です。宗教者による読経後、参列者が焼香を行います。その後は宗教者から説法を聞くのが一般的な流れです。

火葬からそのまま向かうので、初七日法要は喪服のままで構いません。初七日法要を葬儀と別日に行う場合、通常は親族のみに声をかけます。

2.精進落とし 

初七日法要後に行うのが精進落としです。精進落としでは、宗教者や参列者などを料理や酒でもてなします。

かつては忌明けまで、肉や魚を断つのが一般的でした。そこで本来の食事に戻るタイミングとして行われていたのが精進落としです。ただし鯛のように、慶事を連想させる食材は使われません。

地域によって、精進上げ・忌中祓い・お斎など、さまざまな名前で呼ばれます。

通夜の振る舞いとは違い、精進落としでは1人ずつ食べられる食事を出すのが一般的です。会食が始まったら、遺族は各席を回って挨拶をして、参列へのお礼を伝えます。精進落としがある場合は、呼ぶ人を決めて事前に案内しましょう。

3.帰宅 

精進落としが終了したら、散会して帰宅します。

帰宅後も遺族は何かと忙しいものです。手続きによっては期限が定められています。そこで身体や気持ちを休めつつ、各種手続きを進めていきましょう。

優先度が高い手続きは次の3つです。

・死亡保険金の請求

・年金受給権者の死亡届

・相続税の申告

故人の名義になっているものがあれば、順次必要な手続きを行います。

「まだ期間があるから」と後回しにしていると忘れがちです。そのため必要な手続きは早めに進めましょう。

葬儀の流れでよくある質問

喪主や遺族として葬儀に関わる機会は、それほど多くないものです。

慣れていないのなら、わからないと感じる部分もあるでしょう。

葬儀の流れでよくある質問も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

葬儀にかかる日数はどのくらい? 

葬儀にかかる日数は、最短でも2~3日です。

・1日目……臨終から遺体搬送・安置

・2日目……通夜

・3日目……葬儀・告別式・火葬

ただし亡くなった翌日に通夜まで進めるとは限りません。宗教者・葬儀場・斎場などの都合によっても、どのくらいの日数が必要かは変わるものです。

ご遺族の都合で日を置く場合もあります。遠方に住んでいる家族を待って通夜や葬儀を行う場合もあるでしょう。

身内が亡くなったら何日休む? 

身内が亡くなったときに何日休むべきか、明確なルールはありません。しかし仕事を休む都合で、日数を知っておきたい人も多いでしょう。

通夜・葬儀に参加するだけなら、2日休めば足りるかもしれません。ただし同居家族の場合、来客の対応や事故処理などもあるため、2日では足りない可能性があります。

社会人の場合、就業規則に定められた忌引きの日数が休める日数の目安です。一般的な忌引きの日数は次のようになっています。

・配偶者……10日

・実父・実母……7日

・子……5日

・兄弟姉妹……3日

・祖父母……3日

ただし仕事内容によっては、忌引きの日数すべてを休むのは難しいかもしれません。何日休めるかは会社に確認してみましょう。

家族葬の時間はどのくらい? 

家族葬で、葬儀自体にかかるのは1時間ほどです。しかし家族葬でも、通夜・葬儀・火葬が行われます。そのためトータルでは5時間前後かかるでしょう。

葬儀場や火葬場が遠い場所にあるのなら、さらに時間がかかります。所要時間を知りたいのなら、葬儀社に確認しておくのがおすすめです。

葬儀の費用はいつ支払う? 

費用の支払いは、葬儀から7~10日以内に払うのが一般的です。ただし即日支払いとなっている葬儀社もあります。そのため契約を締結する段階で確認しておくと安心です。

支払方法には、現金・クレジットカード・葬儀ローンなどがあります。利息は発生するものの、まとまった現金がないときは葬儀ローンの活用が便利です。依頼の段階で、期限や方法を確認しておきましょう。

葬儀の種類によっては費用が高額になります。そこで葬儀社を事前に選び、プランなどをチェックしておくのもおすすめの方法です。

葬儀費用は誰が払う? 

葬儀費用を払うのは、一般的には葬儀全般を取り仕切る喪主です。喪主は故人の配偶者や子が務めます。

ただし喪主の配偶者が「施主」として葬儀費用を支払うことも可能です。また相続人が費用を分担して支払う場合もあります。

火葬後に葬儀をすることもある? 

本記事では、葬儀後に火葬を行う流れを紹介しています。しかし火葬後に葬儀を行うケースも少なくありません。

火葬後に葬儀や告別式を行うのが「骨葬(こつそう)」です。骨葬が主流になっている地域もあります。

また次のような場合も、骨葬となる可能性が高いでしょう。

・故人が遠くで亡くなったとき

・特定の感染症で亡くなったとき

・ご遺体の状態が悪いとき

順番は変わりますが、基本的な内容は通常の葬儀と変わりません。

地域での葬儀のルールがわからなくても大丈夫?

ルールがわからないのなら年長者に相談する方法があります。また地域のルールは葬儀社も教えてくれるので大丈夫です。

葬儀社では、各地のルールを把握したうえで対応を行っています。そのため「わからない」と感じたら遠慮なく相談してみましょう。

葬儀社は事前に選んでおくのがおすすめ

不幸ごとはいつ起こるかわかりません。突然身内に不幸があると、家族の誰もが混乱してしまうでしょう。

悲しみのなかでいろいろ決めていくのは、想像以上に労力を要します。そこで葬儀の流れや料金を確認し、納得できる葬儀社を選んでおくと安心です。

説明会や相談会を行っている葬儀社も多数あります。いざというときに備えて、葬儀社が提供する積み立てを始めておくのもよいでしょう。無料の会員登録で割引を提供している葬儀社もあります。

慌てず葬儀を執り行えるよう、ぜひ葬儀社は事前に選んでおいてくださいね。

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